卑弥呼
日本の女王
日本人なら知らない人は居ない人物で、魏志倭人伝等にその記録が見られます。実際の所謎だらけで、国内の記録にも乏しく、考古学の進展が待たれるところです。天照大神と同一視する説は根強く、それゆえに皇族の始祖と見られやすいのですが、これについても実は確証が無いとの事で。
とりあえず事実であろう、とされる記録を年表にしてみます。
57年 | 倭奴国が漢から「漢委奴國王」(かんのわのなのこくおう)と刻まれた金印を授与される。 |
107年 | 倭奴国の帥升が漢に朝貢。 |
146年 | 倭国大乱。内乱との見方が強い。 |
189年 | |
?年 | 卑弥呼が女王に立ち、倭国大乱終結。 |
193年 | 倭人、飢えて千人ほど新羅に渡る。 |
208年 | 倭軍、新羅を攻撃するが防がれる。 |
232年 | 倭軍、新羅を侵略。王都まで迫り包囲するが防ぎきられたため敗走する。 |
233年 | 倭軍、新羅の東より侵攻。于老の火計により船が焼かれ、全員溺れて死亡する。 |
238年 | 帯方郡(朝鮮半島西部)に難升米が派遣され、魏皇帝への拝謁が願い出られる。太守の劉夏はこれを許可し、同行。曹叡元仲より親魏倭王の金印を授かる。 |
240年 | 帯方郡より魏の使者が訪れ、詔書と印綬を与える。 |
243年 | 8名が復遣使として魏に派遣される。 |
245年 | 難升米に黄幢の授与が決定。帯方郡に預けられる。 |
247年 | 狗奴国と交戦中であるとの報告が帯方郡に伝えられる。魏より張政が派遣され、難升米に詔書と、預かっていた黄幢が届けられる。 |
249年 | 倭国の使臣が于老を殺害する。 |
?年 | 卑弥呼死去。内乱になるが壹與が立てられて収束する。 |
266年 | 邪馬台国より最後の入貢が晋に送られる。 |
287年 | 倭軍、新羅に攻め込み新羅兵を捕虜にする |
外交の手段として、権威付けの為に貢物を送る行為はこの当時の鉄板だったのでしょう。個人的にですが、卑弥呼=天照説にはやや否定的でして、これが確定すると神話の始祖が外国の朝廷に対して貢物送っていた事になってしまいます。最高神よりも上が居る、しかも外国の朝廷の人間であると言うのは、神話として非常によろしくないと思いますので、モデルだったのではないかと言う程度でとどまって欲しいと、素人考えで願う次第です。
外交
中国からみてみると、結局日本も朝鮮半島も異民族に過ぎません。卑弥呼の名称に「卑」の文字が使われているのは夷ゆえにでしょう。そして朝鮮半島には倭より侵攻し上陸して来た形跡がいくつかありますので、当方の有力な異民族の一つと言う認識はあったかと思います。
同時に朝鮮半島は、実は縄文時代より倭人の生活圏が存在していたので、倭国からしても、朝鮮半島の異民族と対等以上にわたりあう為にも中国の後ろ盾は必要でした。倭国内の威厳付けのための外交でもありますが、朝鮮半島に対する威厳付けでもありました。
卑弥呼が魏に使者を送る直前、朝鮮半島では公孫淵が帯方郡にて独立し、燕を名乗ります。魏への外交ルートはここで塞がれてしまいます。当時の朝鮮半島は、公孫淵の燕や、高句麗、新羅等々、小国入り乱れる混とんとした情勢でした。この諸国の一部には狗邪韓国があり、倭国の北西端とされています。つまり、狗邪韓国は倭国の入り口であり、倭国からの出口でもありました。
土地を巡り特に新羅との抗争が何度も見られますので、朝鮮半島を一定統治するにあたって、強大な権力の後ろ盾は必須でもありました。
公孫淵が魏への入り口を塞いでしまったのは卑弥呼にとっては外交の最大のチャンスで、238年はまだ燕が健在か、滅亡直後であるにもかかわらず、強引に魏へと拝謁を願い出たのは、半島最南端の国は公孫氏政権よりも魏政権を望みますと誰よりも早くメッセージを届ける為でした。
朝貢物が奴婢10人布2匹2丈とかなり少ないにもかかわらず、その見返りが金印をはじめとする大量のお返しに加え、その後出向いた難升米に黄幢(魏の軍旗)が与えられるなどかなりの厚遇であった点から、相当に喜ばしい出来事であった事が伺えます。
燕独立以前から、朝鮮半島から漢への貢物は飛び地であった帯方郡に届けられ、それらは公孫一族が着服していた可能性が非常に高いものとされています。というのも、公孫氏がこの地に独立してからというもの、漢の記録から倭が消えており、滅亡と同時に復活したためですね。
そういった交流の復帰をいち早く望み行動したからこそ、倭は厚遇され、卑弥呼の外交手腕の高さ、戦略眼の鋭さがここで一定うかがえるのかなと思います。
世界史を振り返っても、この古い年代に女帝が立てられる例は非常にまれですし、本来は権力に利用される側のシャーマンが統治を行うのも稀です。ましてやそのシャーマンを社会の頂点に据えて内乱が収まるというのは相当におかしな話ですので、よっぽど政治的な駆け引きが上手かったのかなと思われます。
時代をさかのぼれば遡るほど男尊女卑は普通ですからね。よっぽど何かが突出していない限り記録には残りませんし、ましてや元首となれる者は異例中の異例です。
尤も、卑弥呼自身と会話が出来たのはその弟のみとされていますので、弟が優秀だった可能性も捨てきれませんが。
言語学からのアプローチ
魏志倭人伝については言語学からのアプローチでの解析も試みられています。面白いのでご参考に。
外史
横山三国志
三国志演義に出てこない都合もあり、登場しません。
蒼天航路
登場しません。そこまでは無し進まないからね。
一騎当千
関西の闘士として登場します。
日本人と言う事も有り、新しい外史では比較的好まれる傾向があるように思います。
恋姫†無双
朝鮮と同様に、漢女としてオカマキャラで登場します。外史を守る系の役割なのでかなりチート臭い性能していますw
三極姫
登場しません。
関連人物
特にありません
- 最終更新:2021-01-11 18:15:46